【初心者向け】山本由伸の「すごさ」徹底解説
ロサンゼルス・ドジャースが達成した「ワールドシリーズ連覇(V2)」。
その快挙の絶対的な中心には、大谷翔平選手と共に、もう一人の日本人エースがいました。
それが、山本由伸(やまもと よしのぶ)投手です。
2024年のメジャー移籍から2年間、ドジャースのエース格として大活躍し、今やメジャーを代表するピッチャーの一人となりました。
2025年のワールドシリーズでは圧巻のパフォーマンスを見せ、シリーズMVPにも輝いています。
しかし、彼が「なぜ」これほどまでに強いのか、その原点を知っていますか?
「日本時代に達成した、前人未到の“大記録”」
「メジャーの強打者をも翻弄する“魔球”の正体」
「WBCや五輪で見せた“勝負強さ”」
この記事では、今さら人には聞けない山本由伸投手の「すごさの本質」を、野球初心者の方にも分かりやすくゼロから徹底解説します。
これを読めば、彼のマウンドさばき、その一球のすごさが、さらに深く理解できるはずです。
【初心者向け】山本由伸の「すごさ」徹底解説
山本由伸の「すごさ」が3分でわかる基本
① 日本球界で「やり残したことがない」圧倒的な実績
② 歴史的な「投手最高額」でのメジャー契約
③ まさに始まった「黄金期(全盛期)」
山本由伸は「どんなピッチャー」? その投球スタイル
武器①:魔球「カーブ」
武器②:消える魔球「スプリット」
武器③:150km/h台中盤の「速球(ストレート)」
武器④:打者の芯を外す「カットボール」
ドジャースでの活躍と役割(2024年〜2026年)
伝説の始まり!山本由伸のキャリア(経歴)
まとめ
- 情報更新日:11月10日
山本由伸の「すごさ」が3分でわかる基本
まず、山本由伸投手が「神童」「日本最強」と呼ばれた理由を解説します。
① 日本球界で「やり残したことがない」圧倒的な実績
山本投手の日本時代(オリックス)の成績は、まさに「無双」でした。
難しい指標を抜きにしても、その“圧倒的さ”は、次の実績から伝わります。
- 3年連続で「沢村賞」を受賞
- 3年連続で「パ・リーグMVP」を受賞
- 3年連続で「投手四冠(勝利数・防御率・奪三振・勝率)」を達成
「沢村賞」は、その年の日本プロ野球で最も優れた先発投手に贈られる最高の栄誉。
「MVP」は、野手も含めた「リーグNo.1選手」に贈られます。
この2つの最高栄誉を3年連続で独占した投手は、80年を超える日本プロ野球史上で山本由伸ただ一人。
まさに日本球界で「やり残したことがない」状態でメジャーに挑戦した、完璧なエースでした。
② 歴史的な「投手最高額」でのメジャー契約
日本での圧倒的な実績は、メジャーでも最大級の評価を受けます。
2024年、日本のオリックスからメジャー移籍制度(ポスティングシステム)を利用し、ドジャースと12年総額3億2,500万ドル(当時のレートで約460億円超)の超大型契約を締結しました。
この金額は、ヤンキースのゲリット・コール投手が保持していた記録を上回り、メジャーリーグ史上、投手として最高総額を更新する歴史的なものとなりました。
ドジャース球団がいかに彼を「世界最高の投手の一人」として、並々ならぬ期待を寄せているかが窺える契約です。
③ まさに始まった「黄金期(全盛期)」
1998年生まれの山本投手は、2025年シーズンを終えた現在、27歳。
一般的に投手が「全盛期(プライム)」を迎える年齢とされますが、彼はこの若さで、すでに2度のワールドシリーズ制覇(2024年、2025年)をドジャースの主軸として経験しています。
- NPBで三冠王級の3年連続無双
- ドジャースで2年連続ワールドシリーズ制覇(2024年・2025年)
- 2025年ワールドシリーズMVP
メジャー挑戦時に「投手としての完成度は歴代日本人No.1」と評された実力が、この2年間で「本物」であったことが完全に証明されました。
彼はもはや「伸びしろ」を期待される若手ではありません。
若くしてメジャーの頂点に立ち、これから10年近く黄金期を築いていくであろう、ドジャースの「絶対的エース」の一人なのです。
山本由伸は「どんなピッチャー」? その投球スタイル
山本投手が、なぜメジャーリーグの超一流打者たちを抑え込めるのか。
その「武器(球種)」のすごさを、初心者にも分かりやすく解説します。
彼の投球は、多彩な“魔球”のコンビネーションで構成されています。
武器①:魔球「カーブ」
彼の代名詞の一つが、大きく縦に割れるカーブです。
テレビゲームのように高い軌道からストンと縦に「ドロップ」するカーブで、打者の目線を一度上に浮き上がらせてから、ストライクゾーン低めへと急降下させます。
「山なりのボールだ」と思った瞬間に急激に曲がり落ちるため、打者はタイミングも芯も外されてしまいます。
武器②:消える魔球「スプリット」
ストレートとほぼ同じ腕の振りから、打者の手元でストンと真下に落ちる「決め球」がスプリット(フォーク系の球)です。
打者はストレートだと判断してフルスイングしますが、ボールはバットの下に消えるように落ちるため、空振りやゴロを量産します。
「分かっていても手が出てしまう」球として、メジャーの強打者からも非常に高く評価されています。
武器③:150km/h台中盤の「速球(ストレート)」
変化球が注目されがちですが、山本投手のストレートも超一級品です。
平均で150km/h台前半〜中盤、最速では159km/hを計測したこともあります。
カーブやスプリットといった緩急・縦変化があることで、打者は「どの球種が来るか」ヤマを張れない状態になり、ストレートの体感速度はさらに速く感じられます。
結果として、「分かっていても前に飛ばすのが難しい」レベルの直球になります。
武器④:打者の芯を外す「カットボール」
さらに、ストレートより少し遅く、小さく横にズレる「カットボール」も持ち球の一つ。
打者のバットの芯をギリギリで外し、凡打を量産する球として、メジャーでも有効な武器になっています。
ドジャースでの活躍と役割(2024年〜2026年)
メジャーでもその「無双」ぶりは通用したのでしょうか?
ここでは山本投手の移籍後の活躍を振り返ります。
2024年(移籍1年目)の活躍
メジャー特有の「滑るボール」や「固いマウンド」への適応に、序盤は少し時間がかかりました。
それでも徐々に対応し、シーズン中盤以降は先発ローテーションの柱として活躍。
ルーキーイヤーにしてプレーオフでも重要な試合を任され、
ニューヨーク・ヤンキースを破ってのワールドシリーズ制覇(2024年)に大きく貢献しました。
2025年(2年目)の活躍
2年目の2025年、山本投手はついに「メジャーでも絶対的エース」であることを数字で証明します。
- レギュラーシーズン:19勝10敗、防御率2.66、306奪三振
- オールスター初選出
- ナ・リーグ サイ・ヤング賞の最終候補
さらにポストシーズンでは、トロント・ブルージェイズとのワールドシリーズで
3勝・防御率1点台前半という歴史的な数字を残し、
2025年ワールドシリーズMVPに選出されました。
2024年に続くドジャースのワールドシリーズ連覇の、まさに「投の主役」となったシーズンです。
2026年の役割
2026年シーズンは、大谷翔平選手が投打二刀流に本格復帰する見込みとされています。
山本投手は、その大谷選手と並ぶ「W(ダブル)日本人エース」として、ドジャースの投手陣を牽引する役割を担います。
ドジャースの「3連覇」は、この二人の活躍にかかっていると言っても過言ではありません。
伝説の始まり!山本由伸のキャリア(経歴)
高校時代(都城高校)
山本投手は、宮崎県の公立校都城高校で本格的に投手として頭角を現しました。
地方の公立校であり、当時は全国的には“無名”でしたが、3年生の頃にはプロのスカウトが注目する存在に。
甲子園出場こそ叶わなかったものの、最速150km/hを超えるストレートと鋭い変化球で、
「無名校にとんでもないピッチャーがいる」と一部で話題になっていました。
オリックス・バファローズ時代(2017〜2023)
2016年ドラフト4位でオリックスに入団後、その才能が一気に開花します。
2021〜2023年にかけては、前述の通り
- 3年連続パ・リーグMVP
- 3年連続沢村賞
- 3年連続投手四冠+ノーヒットノーラン2度
という、日本球界の歴史に残る「絶対的エース」として君臨。
チームをリーグ優勝・日本一へ導き、「NPBでやるべきことは全てやった」と言える状態で海を渡りました。
日本代表(侍ジャパン)での活躍
日本のエースは、世界の舞台でも最強でした。
- 2019年:プレミア12で優勝に貢献
- 2021年:東京オリンピック(東京2020大会)で先発として活躍し、金メダル獲得に貢献
- 2023年:WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で世界一メンバーとして登板
オリンピックとWBC、そしてプレミア12という世界大会すべてで優勝を経験した、
まさに「ビッグゲームに強いエース」として実績を残しています。
まとめ
山本由伸投手は、日本球界を「完全制覇」し、投手史上最高額契約でメジャーに挑戦した“神童”エースです。
多彩な魔球と圧倒的な実績を武器に、ドジャースでもすでにエース格としてワールドシリーズ連覇&シリーズMVPを勝ち取っています。
2026年、大谷翔平選手との「W日本人エース」体制のもと、
ドジャースの3連覇、そして自身初のサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)獲得が大きな目標となります。
この記事の内容を押さえておけば、山本由伸がマウンドに立つたびに、
「この球がどうすごいのか」「なぜ打たれないのか」を、これまで以上に深く楽しめるはずです!